【くまちゃん】離れられないだけなんだ
失恋してから5ヵ月経ちました。
ブログをはじめてまだ3週間も経っていませんが、何をしていても元カレの事を考えてばかりだった脳内に少しづつ変化がでてきました。
今でも毎日思い出すし、悲しい気持ちになってちーん(´・_・`)ってなることもあるけど、
3週間前よりも、楽しかったなーいい思い出だったなーと思える時が増えました。
そして涙が出ることはなくなりました。
悲しい気持ちや嫌だった事で頭がいっぱいになりそうになっても、違うことを考えてシフトチェンジさせることができるようになってきました!いい兆候?!って思ってます。
このブログをはじめたきっかけは失恋です。
失恋についての記事はさほど書いていませんが文章を書くの楽しいし続けていけたらと思います!
さて今日は失恋してから読んだ本の第二弾!
失恋した時におすすめの小説で検索してみて読んだ本です(笑)
くまちゃん
映画化もされている「八日目の蝉」や直木賞を受賞した「対岸の彼女」の作者角田光代さん。
タイトルがとっても可愛いこの小説。短編集で全部「振られる」ことをテーマにして書かれている失恋小説です。まさに私にぴったり(笑)
あらすじ。
表題作の「くまちゃん」はくまのプリントがされたTシャツを着ている芸術家気取りの男の子に恋してしまい、その恋はとてもつらく苦しいものとなっていく苑子。
「アイドル」は彼氏と穏やかな同棲生活を送るゆりえが転職した仕事先で長年ファンだったバンドマン・保土ヶ谷槇仁にインタビューしたことをきっかけに関係を持つように。
他「勝負恋愛」「こうもり」「浮き草」「光の子」「乙女相談室」からなるふられ短編小説です。
振った人、振られた人が繋がっていく。
誰かを振った人は次編で振られてしまう。振られた人の視点で描くと、振った人は「酷い人」「心のない人」でも、次編ではその人の心の内側が描かれ、人の表層的な言動と心には外からは簡単に理解できない繋がりがあると感じる。
振る/振られたで繋がっていく男女の輪が描かれた共感度抜群の小説です。
感想。
失恋した私にとっては共感しまくり小説でした。中でも私が一番共感したところは、最終編の「乙女相談室」での離婚した旦那さんと再会した時のこずえの
いっときでも関わった人と別れるのは、そのくらい大変なことなのだ。
自分には必要でないということがわからないまま、過去にじっとうずくまる。記憶にしがみつく。なぜなら次に何が必要か、自分にはわからないから。あるいはまだ、だれも必要としていないから。
という感情です。
そうなんですよね、振られた別れた時点で付き合っていた事実は過去に変わるんです。もう必要とされていない現実を受け止めれないから過去にすがる。
そして彼への執着で頭がいっぱいになる。
執着でいっぱいの頭では、次に進むために何するべきか何がしたいかなんてとても考えられませんでした。
そんな自分を弱くて悲しみに打ちひしがれてる独りよがりの情けないやつって思っていました。たかが失恋くらいでって自分を責めていました。
でもこの本を読んで、そんなことない。好きな人とお別れすることは、簡単な言葉で片付けらるほど単純なことではない、だから私も今はこれでいいんだ。と今の自分を受け止められるようになりました。
この本の主人公たちは皆みっともない、醜い。弱くて、脆い。成り行きに任せ過ぎてみたり、憧れにただすがったり、或いは依存したり、支配しようとしたり。自分は何者になりたいのか、なりたかったのか。
恋愛は今まで知らなかった自分の一面に気づかせてくれます。嫉妬したり、依存したり。相手を変えることなんて不可能なのに、こうなってほしいこうしてほしいって強く望んだり。ほんと醜い自分や弱い自分に気づかされました。
あとがきにはこう書かれています。
ふられることがいいことだとは思わないけれど、でも、旅を一回するようなことくらいのよさはあると思う。今まで知らなかったものを見る、食べたことないものを食べる。
一概にいい思いばかりで旅を終えることはできないが、旅から帰れば、以前とは違う場所にいる自分に気づく。ふられる、ということにはそんなような面がたしかにあると思う。
この失恋から完全に立ち直れた時に、こんな気持ちになれたらいいなと思います。
以前とは違う場所に近づいている兆しはみえてきてるかも!?
全て振られる話ですが読み終えた後はあたたかい気持ちになれる一冊です(^ ^)
ありがとうございましたっ!